二輪外装の下地修理

タンクの全剥ぎ

ウチの全剥ぎ標準メニューになります。(メーカー純正塗装でコンディションの良い場合はその限りではありません)ワイヤーブラシで塗膜を剥いでダブルアクションサンダー、80番で足付けをしながら凹み等をチェック。仕上げは、表も裏もブラスト処理し、錆防止に速やかにサフェーサーを塗布します。

樹脂パーツの全剥ぎ

タンク同様、表も裏も完璧に剥ぎます。樹脂パーツの全剥ぎはできる限り素地にダメージを与えないように古い塗膜を剥がなければなりません。タブルアクションサンダー80番で地道にサンディングします。サンディングできない所や裏側はサンドブラストで完全に剥ぎます。塗膜も厚くなると意外と重いんです。全剥ぎ後はペーツ自体が軽くなる事も多々あります。

引出し板金

四輪では一般的な板金方法で、専用ワッシャーをスポット溶接しスライディングハンマーで引き出します。二輪の塗装ではあまり見かける事が無いと思います。ただこの方法、溶接部にアナが開く恐れがあるので、自分も最初の一発目は電圧と通電タイマー等、シビアにセッティングしています。たま〜に見かける数センチのパテ盛り修理?タンクの重量化と燃料搭載量が減らないよう頑張っています。

ABS樹脂のワレは溶接です

ABSプラスチィックのワレは基本的に溶接で接合します。ワレ部分をV字状に削り、専用のヒーターGUNでカウルを溶かしながら同時に溶接棒も溶かし双方ドロドロにし一体化させます。修理部が極端に厚くなる事無く、しっかりと骨である樹脂を繋ぎます。たまに見かけるガラスマットでのワレ部の修理。損傷部内側に貼るので、当然厚みが増し重くなる。そして何より、ABS樹脂とFRPの樹脂は完全に密着する事はありません。

裏側もしっかり仕上げます。

写真は750SS H2のサイドカバーとテールカウル、板金修理中の様子です。ここ近年修理依頼の多い溶接修理。もともと自分は四輪の車体である薄鋼板の板金屋、この手の修理は出来て当たり前。そして樹脂部品もそうですが、内側こそ綺麗に仕上げ修理の痕跡を無くす!目指すべきところです。

ここまでが下地修理です。

外装の再生は下地修理と塗装。全剥ぎ〜板金修理そして素材に応じた修理。そしてパテで面精度の仕上げ!この後サフェーサーを塗布し完了です。下地修理は塗装の土台。土台が崩れると全てが総崩れ。下地修理こそ長持ちの秘訣です。